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2021年10月19日、米国で初めてビットコイン先物ETFが上場され、大きな注目を集めました。そして2024年1月10日には、米国でついにビットコイン現物ETFが上場されました。これは、ビットコイン投資家にとって画期的な出来事と言えるでしょう。
本記事では、ビットコイン現物ETFについて、その仕組み、メリット・デメリット、そして価格への影響について詳しく解説していきます。
ビットコイン現物ETFとは?
ビットコイン現物ETFとはどういった金融商品なのでしょうか。
まずは、ETFがどういったものなのかを知りましょう。
ETFってなに?
ETF(上場投資信託)は、株式や債券などの金融商品をバスケットに入れて投資信託として運用し、証券取引所で売買される金融商品です。投資家は、個別の銘柄ではなく、指数全体に投資することで、分散効果によるリスク軽減が期待できます。
ETFは以下の機関において運用されます。
- 投資信託運用会社: ETFを運用する会社です。投資家から集めた資金で金融商品を買い、信託財産として保有します。
- 証券会社: ETFの販売や取引を仲介する会社です。投資家は、証券会社を通じてETFを購入・売却することができます。
- 信託銀行: 信託財産の管理を行う会社です。投資信託運用会社は、信託銀行に信託財産を委託します。
この3つの機関によってETFは運用、仲介、管理が行われています。
ETFの運用方法は、以下の通りです。
- 投資信託運用会社が、投資家から集めた資金で金融商品を買い、信託財産として保有します。
- 信託財産の運用収益は、分配金として投資家に分配されます。
- 投資家は、証券取引所でETFの株式を購入・売却することができます。
ETFの価格は、信託財産の価格に連動します。つまり、信託財産の価格が上昇すれば、ETFの価格も上昇し、逆に信託財産の価格が下落すれば、ETFの価格も下落します。
株や債券、不動産など様々な金融商品がETF化されています。
現物ETFと先物ETFの違い
ETFには現物ETFと先物ETFの2種類があります。それぞれのETFは異なる特徴を持ちます。
現物ETFとは?
現物ETFは、実際の株式や債券などの現物を信託財産として保有する投資信託です。
投資信託とは、投資家から集めた資金で金融商品を購入し、運用収益を投資家に分配する金融商品です。
現物ETFは、証券取引所で売買されるため、個別の銘柄ではなく、指数全体に投資することで、分散効果によるリスク軽減が期待できます。
現物ETFの価格は、信託財産である現物の価格に連動します。つまり、現物市場で株式や債券の価格が上昇すれば、現物ETFの価格も上昇し、逆に下落すれば、現物ETFの価格も下落します。
現物ETFのメリット
- 分散効果: 個別の銘柄ではなく、指数全体に投資することで、リスクを抑えることができる
- 低コスト: 投資信託の中では、比較的低コストで運用できるものが多い
- 手軽さ: 証券取引所で簡単に売買することができる
投資信託運用会社は、発行するETFの裏付けとして現物の金融商品を保有する必要があります。
そのため、ビットコインのETFの需要が高まるほど、ビットコイン自体の需要も直接的に高まります。
先物ETFとは?
先物ETFは、株式や債券の先物取引を信託財産として保有する投資信託です。
先物取引とは、将来の価格を約束して売買を行う取引です。現物とは異なる価格形成メカニズムを持つため、先物ETFの価格は現物ETFとは異なる値動きをする可能性があります。
先物ETFの価格は、信託財産である先物取引の価格に連動します。つまり、先物市場で株式や債券の先物価格が上昇すれば、先物ETFの価格も上昇し、逆に下落すれば、先物ETFの価格も下落します。
先物ETFのメリット
- レバレッジ効果: 現物ETFよりも少ない資金で、大きな利益を狙うことができる
- 24時間取引可能: 現物市場が閉まっている時間帯でも取引できる
- ヘッジ戦略に活用可能: 現物資産の価格下落リスクをヘッジするために活用できる
ビットコイン現物ETFのメリット
ビットコイン現物ETFが登場したことにより、機関投資家のみならず今後個人投資家にもメリットがある可能性があります。
ビットコイン現物ETFのメリットには以下のようなものがあります。
ビットコイン現物ETFのメリット
- 証券口座で取引可能
- 申告分離課税の対象
- 機関投資家の参入促進
それぞれのメリットについて解説します。
証券口座で取引可能
ビットコイン現物ではなく、ETFであれば、証券口座で株式と同じように売買できます。そのため、暗号資産取引所の口座開設や暗号資産の保管・管理といった手間が省けます。
しかし、まだ日本ではビットコインのETFを購入できないため、いつか購入できるようになることを期待しましょう。
自分で仮想通貨の口座を開設や管理をする必要がなくなるため、参入障壁が下がります。
申告分離課税の対象
現在、ビットコインを含む仮想通貨で利益が生じた場合、雑所得として課税されてしまい最大で55%の税率になってしまいます。
しかし、ビットコインETFは、申告分離課税の対象となるため、他の所得とは分離して課税されます。所得税率が低い人は、税制上のメリットを受けられます。
機関投資家の参入促進
個人投資家には直接関係あるわけではありませんが、機関投資家が、より簡単にビットコインに投資できるようになるため、市場の流動性向上や価格安定化が期待されます。
ビットコイン現物ETFが承認されたあとは、大きな資金流入が記録されました。
機関投資家の参入によってビットコインの世間的な信頼がさらに厚くなりました。
ビットコイン現物ETFのデメリット
ビットコイン現物ETFには次のようなデメリットがあります。
ビットコイン現物ETFのデメリット
- 手数料
- 価格乖離リスク
- 流動性リスク
- 取引時間が限られる
それぞれのデメリットについて解説します。
手数料
ビットコインETFは、運用会社が管理を行うため、信託報酬等の管理手数料が発生します。これは、ビットコイン現物を直接購入する場合には発生しないコストです。
例えば、米国で上場されているビットコインETFの信託報酬は、年間0.4~0.9%程度です。これは、投資リターンを圧迫する要因となります。
ビットコインの現物の場合ステーキングでビットコインを得られるため、手数料に加え長期保有においては現物を持つことに優位性があります。
長期保有をする上では、手数料は重要な要素になります。
価格乖離リスク
ビットコイン現物ETFの価格は、必ずしもビットコインのスポット価格と一致するとは限りません。需給関係等によって、価格乖離が発生する可能性があります。
例えば、2021年11月には、米国で上場されたビットコイン先物ETFの価格が、スポット価格よりも5%以上高騰する場面がありました。
流動性リスク
ビットコインETFは、比較的新しい金融商品であるため、流動性が低い可能性があります。売買希望者が少ない場合、希望通りの価格で売買できないリスクがあります。
特に、新興市場に上場されているビットコインETFの場合、流動性リスクが大きい傾向があります。
取引時間が限られる
ビットコインETFは、証券取引所でのみ売買できるため、取引時間が限られています。24時間365日取引可能なビットコイン現物と比べて、売買のタイミングが制限されます。
例えば、米国の証券取引所の取引時間は、日本時間の午後9時から午前4時までです。
そのため、取引時間外にビットコインの価格が下落しても売却することができません。
ビットコイン現物ETFが価格に与える影響
ビットコイン現物ETFの承認前後では、仮想通貨業界はそのニュースでもちきりになりました。
ビットコイン現物ETFが価格に大きな影響を与える可能性があるからです。では、なぜビットコイン現物ETFが価格に影響を与えるのでしょうか。
ビットコイン現物ETFが価格に与える影響
- 需給関係の変化
- 市場心理への影響
それぞれの影響について解説していきます。
需給関係の変化
現物ETF上場によって、需給関係の変化が考えられます。
現物ETFの登場により、機関投資家や個人投資家が、ETFを通じて簡単にビットコインを購入できるようになるため、買い需要が大幅に増加する可能性があります。
機関投資家や個人投資家が、ETFを通じて簡単にビットコインを購入できるようになるため、買い需要が大幅に増加する可能性があります。
ビットコインマイナーは、マイニング報酬として得たビットコインを売却する必要がありますが、ETF上場により、マイナーがETFを購入することで、売り圧力が軽減される可能性があります。
これらの需給関係の変化は、ビットコイン価格の上昇圧力になると考えられます。
市場心理への影響
現物ETF上場は、ビットコイン市場が成熟し、投資家にとって魅力的な投資対象となったという認識を促進する可能性があります。
このことが、ポジティブな市場心理を生み、更なる資金流入を招き、ビットコイン価格を上昇させる可能性があります。
しかし、株や債券に比べてビットコインはまだ価格が不安定なため注意が必要です。