仮想通貨のレイヤー2とは？特徴や仕組み、将来性を解説！レイヤー2銘柄のおすすめ紹介

レイヤー2は、近年注目を集めているブロックチェーン技術の一つです。仮想通貨の取引速度や手数料の課題を解決するために開発されたレイヤー2は、ブロックチェーンのさらなる普及に向けて重要な役割を果たす可能性を秘めています。

この記事では、レイヤー2の概要、レイヤー2の機能、レイヤー2が解決する課題、レイヤー2の種類、そして注目のレイヤー2関連銘柄について詳しく解説します。

レイヤー2って何？

レイヤー2は、ブロックチェーンの基盤となるレイヤー1（L1）の上に構築された別のネットワークです。レイヤー1は、セキュリティや分散性を重視した設計になっていますが、取引速度や手数料が高くなるという課題があります。

レイヤー2は、レイヤー1のセキュリティを継承しながら、オフチェーンでトランザクション処理を行うことで、これらの課題を解決します。

具体的には、サイドチェーン、ステートチャンネル、ロールアップなどの技術を用いて、レイヤー1とは別の場所でトランザクションを処理し、その後レイヤー1にコミットすることで、高速かつ低コストな取引を実現します。

レイヤー2が解決する課題

レイヤー2は、主にレイヤー1の課題を解決するためのものです。

レイヤー2は、主に以下の3つの課題を解決します。

それぞれの課題について解説します。

レイヤー2が解決する課題①スケーラビリティ問題

レイヤー1のブロックチェーンは、ネットワーク上のすべてのノードがすべてのトランザクションを検証する必要があるため、トランザクション処理速度が遅く、手数料が高いという問題があります。

レイヤー2は、オフチェーンでトランザクション処理を行うことで、この問題を解決します。

サイドチェーンやロールアップの場合、トランザクションの検証はサイドチェーンやロールアップ内のノードのみで行い、レイヤー1へのコミットはバッチ処理で行われます。

ステートチャンネルの場合、トランザクションの検証は送受信者間で行われます。

レイヤー2が解決する課題②混雑

レイヤー1が混雑している場合、トランザクションの処理が遅くなり、手数料が高くなります。

レイヤー2は、トランザクション処理をレイヤー1からオフチェーンに移行することで、この問題を解決します。これにより、レイヤー1の負荷を軽減し、トランザクション処理速度を向上させることができます。

レイヤー2が解決する課題③セキュリティ

レイヤー2は、レイヤー1のセキュリティを継承します。これは、レイヤー2のトランザクションが最終的にレイヤー1にコミットされるためです。ただし、レイヤー2によっては、独自のセキュリティモデルを採用しているものもあります。

レイヤー2の種類

レイヤー2には、次のような3つの種類があります。

サイドチェーン

サイドチェーンは、レイヤー1とは別のブロックチェーンを構築し、そこでトランザクションを処理します。処理されたトランザクションは、バッチ処理などでレイヤー1にコミットされます。

サイドチェーンは、レイヤー1とは異なるコンセンサスアルゴリズムを採用することができ、独自のスマートコントラクトプラットフォームを構築することもできます。

サイドチェーンには次のような特徴があります。

サイドチェーンの特徴①処理速度が速く、手数料が安い

サイドチェーンは、レイヤー1とは異なるコンセンサスアルゴリズムを採用することで、トランザクション処理速度を向上させることができます。

また、サイドチェーンは、レイヤー1よりもブロックサイズを大きくすることができるため、より多くのトランザクションを処理することができます。

サイドチェーンの特徴②柔軟性

サイドチェーンは、レイヤー1とは異なるコンセンサスアルゴリズムを採用することができ、独自のスマートコントラクトプラットフォームを構築することもできます。

これにより、サイドチェーンは、レイヤー1では実現できないような機能を実現することができます。

サイドチェーンの特徴③セキュリティ

サイドチェーンは、レイヤー1のセキュリティを継承します。これは、サイドチェーンのトランザクションが最終的にレイヤー1にコミットされるためです。

ただし、サイドチェーンによっては、独自のセキュリティモデルを採用しているものもあります。

ステートチャンネル

ステートチャンネルは、送信者間で直接トランザクションを処理し、レイヤー1へのコミットを必要としません。ステートチャンネルは、2人のユーザー間または少人数のユーザー間でトランザクションを行う場合に適しています。

ステートチャンネルには次のような特徴あります。

ステートチャンネルの特徴①プライバシー保護に優れている

ステートチャンネルは、オフチェーンでトランザクションを処理するため、トランザクション履歴が公開されません。

ステートチャンネルの特徴②手数料が安い

ステートチャンネルは、オフチェーンでトランザクションを処理するため、レイヤー1よりも手数料が安くなります。

ステートチャンネルの特徴③効率性が高い

ステートチャンネルは、2人のユーザー間または少人数のユーザー間でトランザクションを行う場合に、効率的にトランザクションを処理することができます。

ロールアップ

ロールアップは、オフチェーンでトランザクションを処理し、バッチ処理でレイヤー1にコミットします。

ロールアップは、サイドチェーンとステートチャンネルの利点を組み合わせた技術であり、高いスケーラビリティ、セキュリティ、および低い手数料を実現することができます。

ロールアップには次のような特徴があります。

ロールアップの特徴①高いスケーラビリティ

ロールアップは、レイヤー1よりも多くのトランザクションを処理することができます。これは、ロールアップがオフチェーンでトランザクションを処理し、バッチ処理でレイヤー1にコミットするためです。

ロールアップの特徴②セキュリティ

ロールアップは、レイヤー1のセキュリティを継承します。これは、ロールアップのトランザクションが最終的にレイヤー1にコミットされるためです。

ロールアップの特徴③低い手数料

ロールアップは、レイヤー1よりも低い手数料を実現することができます。これは、ロールアップがオフチェーンでトランザクションを処理するためです。

レイヤー2の関連銘柄

レイヤー2関連の代表的な銘柄は以下の通りです。

銘柄名	カテゴリ	特徴
MATIC (Polygon)	サイドチェーン	高い処理速度、低い手数料、豊富なDApps、NFTマーケットプレイス対応
RDN (Raiden Network)	ステートチャンネル	高いプライバシー、高い効率性 低い手数料
OP (Optimism)	ロールアップ	高いスケーラビシー、低い手数料 ユーザー向け機能

レイヤー2の関連銘柄①MATIC (Polygon)

MATICは、2017年にMatic Networkとして設立されたイーサリアムと互換性のあるサイドチェーンです。

PoSコンセンサスアルゴリズムを採用し、イーサリアムよりも数百倍速い処理速度と数百倍安い手数料を実現しています。

Polygonは、Aave Polygon、SushiSwap Polygon、QuickSwapなど、多数のDeFiプロトコルが動作しており、活発なDeFiエコシステムを構築しています。

また、OpenSeaなどの主要なNFTマーケットプレイスもPolygonに対応しており、NFTの売買が活発に行われています。

Polygonは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する有力なソリューションとして注目されており、今後もユーザー数やDAppsの増加が期待されます。

また、企業向けのPolygon Enterpriseソリューションも提供されており、今後企業によるブロックチェーン技術の活用が進むことが期待されます。

レイヤー2の関連銘柄②RDN (Raiden Network)

RDNは、2017年に設立されたイーサリアム上のステートチャンネルネットワークです。

ユーザー間で直接トランザクション処理を行うことで、高いプライバシーと効率性を実現しています。オフチェーン処理のため、手数料も低く抑えられています。

Raiden Networkは、まだ開発段階ではあるが、今後イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する重要なソリューションとして期待されています。

Raiden Networkは、今後ステートチャンネル技術の標準規格となることが期待されています。

また、Raiden Networkは、他のブロックチェーンとの相互運用性も実現する予定であり、将来的にはクロスチェーンステートチャンネルネットワークとして発展していく可能性があります。

レイヤー2の関連銘柄③OP (Optimism)

OPは、2018年に設立されたイーサリアム上のロールアップソリューションです。

オフチェーンでトランザクション処理を行い、バッチ処理でレイヤー1にコミットすることで、高いスケーラビリティと低い手数料を実現しています。

Optimismは、ガバナンス機能やウォレット統合など、ユーザー向けの機能も充実している。

Optimismは、イーサリアム上の主要なロールアップソリューションとして成長していくことが期待されています。

また、Optimismは、今後他のブロックチェーンにも対応していく予定であり、将来的にはマルチチェーンロールアップソリューションとして発展していく可能性があります。